がま口を仕立てる際、一番の「肝(きも)」は紙ひもが適切かどうかだと思います。

口金に接着剤を入れたら袋を口金に入れます。その後、袋を口金内で隙間なく固定するために紙ひもを使います。この紙ひもが細かったら、袋は抜けてしまいます。紙ひもが太かったら、口金がゆがんでしまうこともあります。なので、適切な太さの紙ひもを使う必要があります。

教室ではがま口を仕立てた直後、口金部分を私が持ち、袋部分を生徒さんに持ってもらって引っ張り合いをします。もちろん、口金から袋は外れません。この時外れたら、適切な紙ひもでないか、ちゃんと袋が入っていないかのどちらかです。

よく市販のセットに紙ひもがついていますが、必ずしもそれが適切とは限りません。それは、外袋と内袋が合わさった袋の厚さが様々だからです。同じ口金用に袋を用意した場合、薄い生地で仕立た袋と、厚い生地で仕立てた袋では、使う紙ひもの太さが違うはずなので、ついている紙ひもが使える場合と。そうでない場合があるわけです。

ところで、紙ひもは口金のどこに納めていますか?「がま口を開いた時に、紙ひもが見えちゃイヤだな」と思って口金の奥へ奥へと入れている方はいませんか?紙ひもは、横から見たら見える位置。口金の端ギリギリに納めます。紙ひもが口金の奥へ行くほど袋をおさえる強度が下がります。

ちなみに、写真にある「30号の紙ひも」は、シモジマ浅草橋本店にてラッピング資材としてに売っていたものです。「20号より太く、40号より細い紙ひもが欲しい!」と思っていたところ、30号を発見し使っています。めちゃいいです。

あとあと普段私は、紙ひもの玉を写真のようにジッパー袋に入れ、袋の真ん中あたりに穴開けまして紙ひもをそこから出して使っています。使い勝手がよいですよ。

blog2024/05/05:熊谷ゆみこ